俵越山ほぼ毎日ツィッター書展開催!

ある人が、この間、書家を育てるのは席上揮毫が一番良いといってました。
衆人の前で揮毫を披露する事を「席上揮毫」(せきじょうきごう)と呼びます。
普通は、こう書こう、ああ書いてやろうと思うものです。多分、人に見られている所で、あえて書く事で、そういった要らない物が抜け落ちていって、いい字になっていくんだ、と言うことなんでしょうね。

俵越山は、職人さんの仕事場にお邪魔していきなりその場で書くという荒技デビューでした。書いてる時は、職人さんスタッフも含めて5、6人なので、衆人と言われる程の人数はいなかったのですが、それをそのまま放送していたので、結果的には100万人ぐらいの視聴者の前で書いていた事になります。ハンパない「席上揮毫ならぬテレビ上揮毫」でした。そりゃ上手くなったかどうかは別として、3年間もの間、そんな状態を毎週続けていると、格好をつけたいとか、いい文言を書いてやろうだとか、上手に書いてやろうだとか、とりあえず、筆の勢いだけはあった方がいいだろうとか、墨色が良く出ていい感じだとか、そんな事、考えている限りは、自分が納得する字は書けないという事だけはよくわかりました。

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普通、テレビ番組の場合は事前にリハーサルを何度もし、(何を書くか決まっているのは当然)本番を収録するんですが、そういう方法は、私はまず取りません。なんせ越前屋俵太時代から、そのやり方が気に入らなかった。リハーサルをやらないもんだから、なんとなく無事にその場を納めたい保守的なディレクターやプロデューサーから嫌がられました。あいつは本番で何するかわからないって。馬鹿野郎!何するかわからないから面白いんだぞ!

でも今思いおこせばかなり無茶ですよね!自分でも何をするのか、わかってないんですから!

越山先生なんか、職人さんの前で、自分でも、何を書いていいのか、わからないくせに
「私も俵越山と言われた男、それでは、一筆書きましょう!」なんて真剣に言ってたんですから。早い話、言ってから何を書くのか考えてました。
テレビ上は、編集で、いとも簡単に書いてるように見えますが、実際は筆を持ったまま、2、3分は動かないなんて事はざらにあります。
カッコつけてんじゃなくて、本当に何を書いていいかわからないから動けないわけです。その間、周りのスタッフは固まってるし、カメラマンも動けない。目の前の職人さんなんか、もうピクリともせずに、筆先を見つめ、エライ事になってる。先生がそこまで集中なさっているという事はどんな凄い字を書くんだろうって!

もちろん越山先生の頭ん中はもっとエライ事になっていて、「ごめん、ここでタイムっていうのはないだろうな!」とか、「このまま考えているふりして寝たら面白いだろうなあ!」とか、「でも最初の30秒ぐらいの時ならまだしも、今更そんなギャグはないだろう」とか。もうひっくり返ってひねってほとんど脳みそムーンサルト状態です。でも本当に何を書いていいかわからない状態が延々と続きます。思いついたとしても漢字がわからない。書き順なんて、もうとっくに捨ててるんですけど、それにしても、棒が一本あったのか無かったのか?その棒が突き抜けていたのかいなかったのか?もう頭の中はピカソの「ゲルニカ」状態で、心はムンクの「叫び」です。

ご夫婦でやられてる「たわし職人さん」の前で書いた時は、本当に凄かった。家族全員、ご近所さんも来て頂いて、その場にいた全員の眼を釘付けにして、三分間あれやこれや考えた末に書いた一筆が
「た・わ・し」の三文字だけだった。そのままじゃ~ねえか、越山先生~!せめて「わたしはたわし」とか回文まがいの文にするとか、何かなかったんですか?私たちの三分間を返せ~!

人前で書くことは書家を育てるだと!馬鹿言ってんじゃね~ぞ~!やってる側は大変なんだ~!

てな、わけで、今回まんまと加藤君に乗せられて、席上揮毫ならぬツィッター上揮毫をする事になってしまいました。
さてさて、いつまで、続きますことやら!乞うご期待はしないで~!


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  • Kushihama Yasuyo

    わははははははははははは~!(笑)