「橋下×羽鳥の番組」越前屋俵太オールカット物語 第二部

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越前屋俵太オールカット物語 第一部

越前屋俵太マジでボケる!

橋下さんがスタジオに登場した僕を見るなり、嬉しそうに「いやあ~俵太さん。昔はよく見てました~」ときたんで、こっちも「いや~苫米地さんの話があまりにも面白いので、僕の時間はクッションか、トイレ休憩でかまいませんから!」って返しました。非常に穏やかなムードで収録が始まったのですが、思いのほか、橋下さんが僕のファンだったらしく、本番が始まってしばらくは、ナイトスクープ時代に高校生だった橋下さんがクラスの中で、休み時間になると、僕のレポートの物まねをしてた!とかそんな話を嬉しそうに、僕のことをあまりよく知らない羽鳥さんに説明してくれました。まあ、こちらとしてはありがたいお話でしたが、黙って聞いていても仕方がないので、「そろそろ話してもいいですか?」って、突っ込んで、まず軽く笑いをとってから、今の自分のスタンスの話をしました。何故テレビに出なくなったのか理由も言っとかないといけないと思って、真面目に「テレビのヤラセが嫌だったんです!」とか、ついテレビであるというのを忘れて、普段思ってることを普通にそのまま喋ってしまった。考えてみりゃその部分は、テレビ批判だから、たぶんオンエアーはしない(笑)!

そのうち、スタッフから、そろそろご自分のテーマを言って下さい!というカンペが出た。私が橋下さんに言いたいことは「自分を省みては!」です。って言わないといけなかったんですが、これが、さっきテレビ局に着いてから急に言われたので、自分にはしっくりきてないのと、何十年ぶりかの久々のスタジオだったことが、重なったせいか、めずらしく何回もNGを出してしまった。短いアタック音が鳴り終わってからセリフを言わないといけないのに、鳴る前に言ったりとか、鳴ってから、言うまでの間があきすぎたりとか、わざとやったんじゃなくて、本当にギクシャクしてたんですが、これがまたウケてしまった。スタジオの雰囲気は、僕がわざとテレビの段取りを潰してボケることで笑いを取っている!というような雰囲気に包まれてしまった。まあそれはそれで、つかみとしては良かったんですが、大阪の番組ではないので、たぶんボケてるところはまず使わない(笑)。

越前屋俵太がスタジオで喋ったこと

そんな感じで、使えないだらけで、始まった本番なのですが、番組的には、どこかで議論にならないと本当に使えない。でも僕からすれば何度も言ってるように橋下さんに突っかかる理由は、最初からないわけですから、よっぽど相手を怒らせるか、僕が怒らない限り、議論にはならないことはわかっていた。番組側が考えてくれた、「自分を省みては?」というテーマにしても、相手の首根っこを掴んで、「反省しやがれっ!」っていう話になるほど強いわけではありません。そうこうしているうちに橋下さんの方から、「自分を省みる」って、どういう意味ですか?ってきた。取り敢えずは、僕がテレビメディアから離れて、5年ほど山に籠っている間、色々と自分を省みて、考えさせられる事があった。橋下さんにも出来たら、政界から離れた今、内省して欲しいという話です!と簡潔に前置きした上で、山に籠ってる時に裏山に生えてる木を貰ってきて、自分の庭に植えたりしてました、っていう話をした。橋下さんは、当然、最初は何のことだかわからないという顔をしていたが、あまり気にせず僕は淡々と自分の経験を喋った。

木は髪の毛のような細い根の部分から水や養分を取っている。それを適当に切って引っこ抜いて別の場所に植えてしまうと、根から水が吸えなくなってしまって、光合成のバランスがとれずに木がすぐに枯れてしまう。ところが、その枯れてしまった木をもう一度、蘇らせる方法がひとつだけある。かっこ良かった枝振りなんかを無視して、思い切って葉っぱや枝をすべて落として、ただの棒っきれのようにして地面に突き刺しておくそうすると、また根が棒の部分から少しづつ生えてきて木が再び生き返る。僕はある種の比喩のつもりで喋った。ただ木の話をしてるのか、人の生き方の話をしてるのかは受け取る側の自由。橋下さんは頭がいいから、僕が何を言いいたいのかはわかっていたようでした。続けて、プロが木を移植する場合の話をした。木は空中で枝が伸びている分だけ、地中で根も伸びていて、その先は髪の毛のように細い。そこから水やら養分を吸って生きている。だから必ず根をシャベル等で斬っても、すぐには引っこ抜かないで、1年程放っておく、そうすると根を斬った内側の太い根からからまた細い根が生えてくる。そしてその根が入っている土を崩さないように、ジュートで根巻きして荒縄をかけて、重機でつり上げる。こうすると根鉢1mぐらいの木でも葉が付いたまま枝も落とさず、生きたまま綺麗に移植ができる。この事前に根を切っておくことを「根回し」という、世間で言う根回しはここからきてる。この根回しが完璧でないとうまくいかない。そんな話をした。もうそこまでくると、出演者の二人も含めスタジオのスタッフも真剣に頷いてくれていた。

そんな話はたぶん要らない!

でも、やっぱりなんかまずい。頷かれていては議論にはならない。そんなこともわかったうえで、僕は最後に落葉樹の話をした。冬になると葉がなくなってしまう落葉樹より、常に葉がある青々とした常緑樹のような人になりたいと思っていたが、常緑樹はその分、雪が降ると枝葉に雪が積もって曲がったり折れたりしてしまう。その点、落葉樹達は冬になると枝だけになってしまってみすぼらしいが、雪からは身を守れて都合がいい。さらに落葉樹は、自らの意志で葉を落とし、根元に落ちたその葉を自らの養分として長い冬を耐え忍び、やがて春になれば芽を出す!そのことに気付いた時に感動した!一度はあきらめた自分だったけど、今は耐えてでも、もう一度頑張ろうと思った!という話を、関係ない話だと思うのなら聞き流せばいいぐらいの気持ちで喋った。本当に真剣に聞いてくれていた橋下さんは一言「いやあ~、いい話でした。」と静かに言った。そこから橋下さんに向かって、ケンカ腰に、「だからあなたも内省すべきだ!」とは言えなかった。僕としては、その時に橋下さんに対して自分が言えること精一杯言ってるつもりだった。

ただ、橋下さんではなく、テレビ局の要望に応えるのが仕事だとすれば、今回の僕のトークは仕事にはなっていない。だから仕事である以上は、やっぱり制作側の望む議論に持ち込まないと!という気持ちもあったので、もしかしたら橋下さんの返答如何によっては議論になるかもしれないという、最後の望みで、僕が根本的に政治家という職業を理解出来ない最大の理由を橋下さんにぶつけてみた。

越前屋俵太、橋下徹に噛み付く?

政治家は、今の日本がこのままでいいのですか?と国民にいつも問う。そしてこの国を理想の国家にするために改革するという大義名分のもと、国民の税金を使って自分たちの考える国家を作り上げる。もちろん国民の為に働くわけだから、国民のお金で自分たちも暮らす。一見筋が通ってそうだが、僕はひっかかる。皆さんのためにと言っても、常識的に国民全員の為になることは、間違いなく、あり得ない。必ず不利益を被る人も出てくる。それをみんなの税金を使ってやるというのが理解出来ない。お願いだからやってくれ!って言う人達のお金だけを使って、その人達の為だけにやるのなら何の問題もない。でも実際はそうはいかない。ならば、一体どんな神経で、皆さんのお金を使っておいて、皆さんのためだと言えるのか?僕には理解が出来ない!というような主旨の話をした。そして最後にこう言った。「もし、それでも政治家が自分を正当化する理由があるとすれば、大を活かす為に小を殺してもかまわないぐらい、冷酷に思っていないと、成り立たないと思う。橋下さんは、その辺りはどう思っているんですか?」と、小学生レベルの話かもしれないが、本気で聞いてみた。

橋下さんは、僕の目をみて冷静に「俵太さん、僕は政治に犠牲はつきものだと思っています。だから、それなりの犠牲は覚悟してやっています!」とクールに言い切った。もちろん、後で考えたら「あなたが、犠牲になる分は好きにすればいいが、国民が犠牲になるのはおかしい!」とか、突っ込むことは出来たかもしれない。でもその時は、僕の目を見て、覚悟してやってる!って言った橋下さんに対して、それはおかしいだろう!と言う気はまったくなかった。橋下さんは、僕に向かって丁寧に何故そう思うのか、喋ってくれた。政治における交渉と言うのは、示談だと思っている。それで納得しなければ、裁判すなわち、投票です。大阪都構想、僅差だったけど、負けは負けです。皆さんに支持して貰えなかったので辞めました!と話した。彼は弁護士だから、そこがはっきりしていた。民主主義の原則だとも言った。それに関してはさすがに、貴方を支持した人は半数近くいるのに、負けたからといってあっさり引き下がっていいのですか?と、少し突っかかったが、それはルールだから仕方がないという一点張りだった。民主政治はそういうもんです。ときっぱり言った。彼がいい加減な思いでカッコだけつけてやってると思っていたら、とことん突っ込んだかもしれないけれど、そんな人ではなかった。

政治に詳しい評論家の皆さんがバトルをしたがる政策論がどうだとかという細かい話ではない。政治家としてのある種の心構えのようなものをその時、橋下さんから感じとった。全ての批判は受ける!というつもりでやっているのなら、それはそれで潔い。そこで納得して引き下がってしまったら番組にならない!ということは重々承知のうえで、僕はこう言った。「わかりました。そこまで覚悟されているのなら、僕は何もいうことはありません。今後また政界に出ることがあるなら、日本の為に頑張って下さい!」僕は僕で、そのシーンがもし放送されて、テレビを見ている人達に「お前は何をしに来てるんだ!アホか!」と言われても別にかまわないと覚悟した。

放送がカットされるとかされないとか、そんなことはもうどうでもよくなっていた僕は、最後に番組の中で橋下さんにあることを相談した。

僕の言った想定外の一言にスタジオが一瞬、静まりかえった。それを受けて、橋下さんが言った一言に僕も含めてスタジオ中が驚いた・・・。

続くんだ!やっぱり。